「ウェルスナビって最近よく聞くけど、本当に利益は出るの?」
そのような不安を抱えている投資初心者はいませんか?
もしくは既にウェルスナビを始めている人の中には、「ウェルスナビよりも良い運用方法があるんじゃないか?」と感じていることもあるかもしれません。
とはいえ、
「ウェルスナビが自分に合っているのか、辞めた方がいいのか判断できない」
と感じる人は多いでしょう。
この記事では、投資初心者でウェルスナビを始めたい人、もしくはこのまま続けていいのかどうかと悩む人に向けて、ウェルスナビを辞める理由や向いていない人の特徴を解説します。
最後まで読めば、ウェルスナビを続けるべきかどうかを決断できるようになるでしょう。
ウェルスナビとはどのようなサービスか
始めに、ウェルスナビとはそもそもどういったサービスなのか確認しておきましょう。
ウェルスナビとは、2016年7月に正式に運用開始された資産運用ロボアドバイザーの一つです。
主な特徴は、次の通りです。
商品名 | WealthNavi(ウェルスナビ) |
運営会社 | ウェルスナビ株式会社 |
投資対象 | ETF |
手数料 | 預かり資産の1.1%(税込/年率) |
最低投資金額 | 10万円 |
最低積立金額 | 1万円 |
とはいえ、こうした説明を聞いても「そもそもロボアドバイザーって何?」と気になる人も多いはずですので、ロボアドバイザーについて解説します。
ウェルスナビはロボアドバイザーの一つ
ロボアドバイザーとは、投資家の代わりに資産運用のアドバイスや運用の手伝いを自動でしてくれるサービスのことです。
投資家にとっては、手間が省けて便利といえます。
ウェルスナビのサポート内容は、主に長期・積立・分散投資。
長期・積立・分散投資とは、様々な投資先に対して、何年もかけて毎月少しずつ資金を投資し続ける手法です。
ウェルスナビでは投資初心者でもプロのように長期・積立・分散投資できるのがポイントとなっています。
それでは、一体どのようにしてサポートを行ってくれるのでしょうか?
長期・積立・分散投資をAIでサポート
「長期・積立・分散のサポートを行う」と聞くと、「それではウェルスナビの負担が大きくなりすぎるのでは?」「十分なサポートが得られるのか」と不安になるもの。
しかしウェルスナビでは、資産運用をAIがサポートしているため、ウェルスナビの負担は大きくなりません。
ウェルスナビのAIは、膨大なデータ分析を元にした将来予測を行っているので、感情に左右されない運用を行ってくれます。
また分散の対象は、世界約50カ国の1万1000銘柄。
ここまで多くの銘柄を人間が一律に扱うのは大変であるため、AIならではといえるでしょう。
他のロボアドバイザーとの比較:投資一任型と助言型
現在、ウェルスナビ以外にもロボアドバイザーは存在しています。
それぞれに特色があるのですが、大きく分けると「投資一任型」と「助言型」に分けられるでしょう。
投資一任型は、投資家のタイプ別に最適な資産配分で自動で投資してくれるタイプです。
一方で助言型は、投資家への質問にもとづいて得られた回答を元に最適な資産運用をアドバイスするタイプとなります。
ウェルスナビのタイプは投資一任型であり、上記の通り自動で投資が行われますので、投資家の負担にはならないのです。
ウェルスナビをやめる3つの理由
このようにみていくと、ウェルスナビをやめる理由は無さそうに思えますが、やめる理由は存在します。
主な理由は下記の3つです。
1.手数料が比較的高い
2.運用利回りがイマイチ
3.同じようなポートフォリオを自分で簡単に組める
それぞれの理由を解説しましょう。
1.手数料が比較的高い
まず、理由として大きいのが「他の投資手法と比べて手数料が高め」である点です。
ウェルスナビの手数料は、預かり資産に対して年率1%(税込み1.1%)。
とはいえ他のロボアドバイザーと比較した場合、ウエルスナビが突出して高いわけではなく、どこも1%程度の手数料になっています。
例えば大和証券のロボアドバイザーである「ダイワファンドラップ ONLINE」は税込み1.1%であり、株式会社FOLIOの「FOLIO ROBO PRO」は3000万円までなら税込1.1%、それ以上なら0.55%。
ウェルスナビの手数料を「高い」と感じるのは、他の投資手段と比較した場合です。
実際に証券会社で海外ETF(上場投資信託)を取引する際の手数料は、ロボアドバイザーよりも低い水準で利用できます。
SBIの海外ETFを見てみると、多くの商品が手数料1%未満であり、中には0.03%になる商品もあるのです。
ETFはウェルスナビ同様に様々な場所に分散投資できる手法ですので、証券会社で取り扱われている銘柄とウェルスナビを比べると、ウェルスナビの手数料は高く感じるでしょう。
2.運用利回りが高くない
次に、「運用利回りが高くない」という理由も挙げられます。
ただしこちらの理由も、運用利回りを何と比較するのかによって評価が変わってくるでしょう。
ウェルスナビでは、1992年から2017年までのシミュレーション結果を公開しており、1年あたりのリターンを6.0%としています。
ETFの利回りとしては決して低い数値ではありませんが、他の投資手法と比べると見劣りしていると感じるかもしれません。
例えば株式の中には、ひと月で10%以上高騰する銘柄がありますし、仮想通貨は前日比20%を超えるケースもあります。
値動きの大きめな投資手法と比較して、ウェルスナビの利率を物足りなく感じた結果、「リターンに満足できない」と判断し、辞めてしまう人もいるようです。
3.同じようなポートフォリオを自分で簡単に組める
さらに、「同じようなポートフォリオを自分で簡単に組める」という理由もあります。
すなわち、「ロボアドバイザーと同じ運用方法が自分でもできるのであれば、ロボアドバイザーを使う意味がない」ということです。
ネット証券を活用すれば、海外ETFを簡単に複数購入できますし、値動きを見つつ自分で売り買いしながら資産の比率の調整もできます。
こうした一連の作業を無理なく手間に感じずに行えるのであれば、わざわざウェルスナビを使わずに、自力で運用できるでしょう。
ウェルスナビをやめたほうがいい人の特徴
こうした理由を踏まえた上で、やめたほうがいい人の特徴としては下記が挙げられます。
●自分でインデックスファンドや海外ETFの購入ができる人
●資産運用で年6%以上の利回りがほしい人
●短期で大きなリターンを得たい人
それぞれ順番に解説します。
1.自分でインデックスファンドや海外ETFの購入ができる人
まず、「自分でインデックスファンドや海外ETFの購入ができる人」はウェルスナビをやめた方がいいでしょう。
上記の通り、ウェルスナビに限らずロボアドバイザーの手数料の平均は約1%。
インデックスファンドや海外ETFの手数料はロボアドバイザーよりも安いため、自分で購入できる場合には手数料を大幅に少なくできます。
ただしその時には都度自分で購入しなくてはならないため、ロボアドバイザーを使うよりも手間はかかります。
手間よりも少ない手数料を選択する場合には、ウエルスナビはやめた方がよいでしょう。
2.資産運用で年6%以上の利回りがほしい人
次に「資産運用で年6%以上の利回りがほしい人」にもウェルスナビはおすすめできません。
ウェルスナビの推奨ポートフォリオによる過去のシミュレーションでは、得られる利回りは年6%程度。
この利回りの評価は人それぞれですが、少ないと考える場合には、やはり他の投資手段を検討すべきでしょう。
ただし、安易に高利回りの投資を選択するのはおすすめしません。
リターンの高い投資手法は値動きが大きいため、元本を大きく下回るリスクもあるのです。
自分のリスク許容度や投資に費やす期間・目標利回りなどを検討し、無理のない資産運用方法を選ぶようにしましょう。
3.短期で大きなリターンを得たい人
また「短期で大きなリターンを得たい人」にもウェルスナビは向いていません。
冒頭で述べた通り、ウェルスナビは長期・積立・分散投資が基本になっていますので、短期で大きなリターンを得る手法には向いていません。
短期で大きなリターンを得たい場合には、仮想通貨や高リターンのファンドなど他に投資すべきでしょう。
ウェルスナビをやったほうがいい人とは?
それでは逆に、ウェルスナビに向いている人、やった方がいい人とはどういう人でしょうか?
まず、自分で投資信託やETFを買うことができない、または面倒に思う人です。
ウェルスナビを使えば自動的に投資をしてくれますので、自分で金融商品を買う必要はありません。
また、年3%程度の利回りで十分満足な人にもおすすめです。
ウェルスナビは短期間で大きなリターンを狙えませんが、少しずつ長期的に運用結果を出すことには向いています。
まとめ:ウェルスナビのサービスが合わなければ積み立てNISAもあり
ウェルスナビとは、資産運用ロボアドバイザーの一つです。このサービスをやめる理由は下記の通り。
1.手数料が比較的高い
2.運用利回りが高くない
3.同じようなポートフォリオを自分で簡単に組める
また、やめたほうがいい人とは下記のような人です。
●自分でインデックスファンドや海外ETFの購入ができる人
●資産運用で年6%以上の利回りがほしい人
●短期で大きなリターンを得たい人
ウェルスナビは評判のロボアドバイザーのサービスですが、全ての人が満足するとは限らず、「自分に合わない」と感じたら、別のサービスを検討しましょう。
同様の運用方法で、手数料を抑えたい場合、積み立てNISAが向いているでしょう。
積み立てNISAではウェルスナビよりも安い手数料で投資できます。
特にSBIなら手数料が割安である上に、ETF・外国株・債券など様々な金融商品が取り扱われていますので、ぜひ利用してみてはいかがでしょうか。
※本稿は筆者の個人的な見解であり、筆者の属する組織などとは関係ありません。また、2021年11月時点での情報をもとに、わかりやすさを優先して解説していますので、細部は必ずしも厳密とは限りません。