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テンセントは中国を代表するIT企業で、香港取引所に上場しています。この記事では、テンセントの売買方法と、今後の見通しについて解説します。

テンセントの概況

テンセントの概況

テンセント(騰訊公司)は、広東省深セン市に本社を置く中国の大手IT・インターネットサービス企業。1998年に設立され、2004年に香港市場に上場しました。そして、中国の主要株価指数である「香港ハンセン株価指数(HSI)」の構成銘柄です。

 

テンセントは、アプリから映画まで幅広いサービスを提供しています。メッセンジャーアプリのWeChatLINEに相当)や「QQ」、SNSアプリの「Qzone」、オンラインゲームの「王者栄耀」なども運営しており、アプリケーションの売上は世界一と言われています。

 

一時、時価総額ランキングで世界のトップテンに入っていたことから、投資家にも人気があります。ただ、2021年以降は先行き警戒感から株価の下落が続いています。

 

中国政府は産業・企業への規制強化の五カ年計画を掲げており、今後もテンセントにとって悪影響があることは否定できません。

WeChatの月間アクティブユーザーは12億人以上

WeChatの月間アクティブユーザーは12億人以上

メッセンジャーアプリ「WeChat」の月間アクティブユーザー数は、12億人を超えています。また、オンラインゲームの課金売上は370億元(約5,600億円)を超え、日本を代表するゲーム会社である任天堂と比較しても、その差は歴然としています。

 

さらに、デジタルコンテンツ事業では、動画配信の会員数が11,200万人を突破しました。広告事業では、中国におけるIT企業への規制強化の影響を受け、足元の成長率は鈍化しているものの、2022年までに新たな規制環境に適応することを発表しています。

 

今後、競合するアリババ・グループとの激しい競争が予想されますが、中国の中でも注目株であることは間違いありません。

テンセント株を購入するには中国株口座を開設する

テンセント株を購入するには中国株口座を開設する

テンセント株は、中国株を取り扱っている証券会社で購入できます。証券会社によって中国株の取り扱いがなかったり、取り扱っている銘柄が異なったりするので、まずは中国株を取り扱っている証券会社を探して、自分が買いたい、もしくは興味のある銘柄を取り扱っているかどうかを確認してください。

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中国の株式市場の特徴

中国の株式市場の特徴

中国の株式市場の特徴について解説します。

 

中国の取引所は3

 

中国の株式を取引できる主な取引所は、中国本土の上海取引所と深セン取引所、そして香港の香港取引所の3つです。それぞれの取引所で扱っている銘柄は異なりますが、複数の取引所に上場している企業もあります。

 

各取引所には、数種類の市場が開設されています。これらは、企業の規模や目的によって分けられているのです。

 

たとえば、メインボードは日本市場におけるプライム市場のように各取引所の主要市場で、大企業が中心となっています。

 

その他、香港のGEM(新興企業が多い市場、日本市場の東証マザーズと同様)、上海の科創板(2019年に上海証券取引所に開設された新しい株式市場)。深センの中小板(中小企業向けの市場)、創業板(新興企業向け市場)などがあります。

 

そして、上海取引所と深セン取引所にはA株とB株があり、香港取引所にはH株・レッドチップ・香港株があります。

 

香港取引所とは

 

テンセントは、香港取引所に上場しています。香港取引所は流動性が高く、米国の影響を受けやすい一方、透明性が高く、世界最高水準の取引所です。そして、香港取引所には、「メインボード」と「GEM」という2つがあります。

 

取扱銘柄は、中国本土で登記された中国企業が香港取引所に上場している株式である「H株」と、中国本土以外で登記された中国企業が香港取引所に上場している株式である「レッドチップ」、香港企業や海外企業が香港取引所に上場している株式を扱う「その他」があり、取引は香港ドルで行われます。

 

外国人投資家も取引できるため、多くの日本人投資家がこの香港の取引所で中国株に投資しているのです。

 

香港市場の取引ルール

 

香港取引所の取引ルールは、以下の通りです。

 

  • 取引時間(日本時間)

 

プレオープニング        10001030

前場                  10301300

後場                  14001700

クロージングオークション  17001710

 

  • 取引通貨

 

香港ドル

 

  • 値幅制限

 

原則なし(クロージングオークション時は値幅制限あり)

 

  • 譲渡益課税(キャピタルゲイン)

 

日本で20.315

 

  • 配当金の源泉徴収税率

 

中国で配当課税10%(銘柄によって異なる)+日本で20.315

 

テンセントの業績

テンセントの業績

長年にわたり、中国のテンセントとアリババ・グループは、世界で最も急成長している2つの企業でした。両社は株式市場の人気企業で、ピーク時の時価総額は合わせて17,000億ドル(約20兆円)に達していたのです。

 

しかし現在、中国当局による大手インターネット企業への締め付けが影響し、両社の成長力は大きく落ちています。

 

テンセントが発表した2022年第1四半期の決算では、利益が前年同期比で半減。売上高も横ばいとなり、上場以来最悪の決算となりました。

 

売上高は1,355億元(2008,000万ドル)、前年同期は1,353億元でした。

 

習近平国家主席のテクノロジー産業に対する締め付けにより、インターネット業界は雇用の削減や新規分野への投資の凍結を余儀なくされています。対話型アプリ「WeChat」を運営するテンセントは、今後も大きな打撃を受ける可能性があるのです。

 

テンセントの株価は下落傾向

テンセントの株価は下落傾向

テンセントの株価は、20202021年にかけて大きく上昇しました。2021ドルまで上昇。時価総額は世界で6位となりました。しかし、中国当局の規制強化を投資家が嫌気し、株価は大幅に下落。20223月末の株価は374.20HKDと、高値から半分近くまで下落し、時価総額も世界で13位となっています。

 

テンセント株が下落しているのは、中国政府が同社への取り締まりを強化しているからです。

 

20217月、テンセントは音楽配信大手のチャイナミュージックを買収し、シェアを拡大したことが音楽市場の独占にあたるとして、中国政府から規制と罰金を課されました。

 

さらに20218月には、メッセンジャーアプリのWechatが未成年者保護法を遵守していないとして中国政府から提訴されています。

 

こうした中国政府の規制措置は、テンセントに限らず、あらゆる中国の企業に向けられています。

 

中国株の主要指数である香港ハンセン指数(HSI)のチャートからわかるように、2021年以降、主要な中国株はすべて下落しているのです。

 

香港ハンセン指数

香港ハンセン指数

出典:Bloomberg

 

中国政府は今後もネット企業への監視を強化するか

中国政府は今後もネット企業への監視を強化するか

テンセントは、今後も中国当局から巨額の罰金処分を受ける可能性があります。スマートフォン決済事業に関して、中国当局の規制に違反したと判断される可能性があるからです。

 

中国当局は、インターネット企業に対する監視の目を強めています。テンセントはこれまで、ゲーム配信会社の経営統合計画を中止されるなど、市場の独占を理由に中国当局から処分を受けてきました。巨額の罰金では、ネット通販大手のアリババ・グループが「支配的地位の乱用」で182億元(約3,000億円)超の罰金を科されています。

テンセント株を購入できる証券会社

テンセント株を購入できる証券会社

テンセント株は、SBI証券や楽天証券、マネックス証券などのネット証券でも購入できます。

SBI証券

 

ネット証券最大手のSBI証券では、香港証券取引所メインボード・GEM上場の選定銘柄が取引できます。取引手数料は、国内委託手数料・現地取次手数料・現地諸費用をすべて含めて、約定代金の0.26%(税込0.286%)となっています。最低手数料は51.7香港ドル(税込)、上限手数料は517香港ドル(税込)です。

 

SBI証券では外国株式の特定口座に対応しているので、国内の株式や投資信託、債券と損益通算でき、投資家が計算作業をする必要はありません。

 

そして、日本円による円貨決済、香港ドルによる外貨決済のどちらも選ぶことができます。

 

楽天証券

 

楽天証券の中国株の国内手数料は、以下の通りです。

 

10万円まで   550円(税込)

10100万円 約定代金の0.55%(税込)

100万円以上  5,500円(税込)

 

楽天証券では、約定代金10万円までの取引手数料が550円(税込)で、現地手数料や現地諸費用はかかりません。さらに、取引手数料の1%(大口優遇は2%)がポイントバックされます。

 

また、特定口座やNISA口座を利用してテンセントなどの中国株を取引できます。そして、香港ドルを保有していなくても、日本円で取引可能です。両替の手間がかからないので、取引チャンスを逃すこともありません。

 

マネックス証券

 

マネックス証券の中国株の手数料は、約定代金の0.25%(税込0.275%)と業界最低水準で、最低手数料は45香港ドル(税込49.5香港ドル)です。

 

中国株の取扱銘柄数は2,000を超えており、香港市場に上場しているほぼ全銘柄を取引できます。また、円資金を利用して注文できるので、事前に香港ドルへの振替をすることなく、テンセント株を取引できます。

CFDでテンセント株を取引する

CFDでテンセント株を取引する

CFDを利用してもテンセント株を取引できます。

 

CFDは“Contract for Difference”の頭文字をとったもので、「差金決済取引」のことです。

 

「差金決済取引」とは、差金のみを交換する取引のことを指します。現物の受け渡しをせず、反対側の取引で発生した差額で決済するため、「差金決済」と呼ばれているのです

 

投資対象は、日経平均株価、NYダウなどの株価指数、金や原油などの商品、株式など多岐に渡ります。また、ドル円やユーロ円などのFX取引もCFDの一種です。

 

株式CFDでは最大5倍までレバレッジをかけられるので、現物株式の5分の1の資金でテンセント株を取引できます。

 

また、現物株式ではテンセントの買いからしか取引できませんが、CFDを利用すれば売りからも取引できます。株価が下落する局面でも利益を狙えるというのが、CFDの魅力です。

 

それでは、テンセント株をCFDで取引できる証券会社を紹介します。

 

IG証券

IG証券は1974年に設立され、世界に30万人以上の顧客がいます。そして、IG証券のCFD取扱銘柄数は17,000銘柄以上と、国内CFD業者では最多です。テンセントやアリババ、バイドゥなどの中国株も、IG証券のCFD口座で投資することが可能です。

 

IG証券のCFD取引口座の申し込みは簡単で、通常数分しかかかりません。本人確認書類の確認が完了したら、口座を有効化できます。取引を開始するには、口座に入金する必要がありますが、IG証券では最低入金額の条件はありません。

 

また、無料のデモ口座では、6,000万円の仮想資金でCFD取引を試すこともできます。

 

サクソバンク証券

サクソバンク証券では、約9,000銘柄を誇る外国株CFDを通じて、日本では提供されていない外国株の信用取引を提供しています。最大レバレッジ5倍、決済期限なしで「売り」「買い」の両方が可能な外国株CFDは、外国株をアクティブに取引したい投資家に適しています。

 

サクソバンク証券の外国株CFDは、米国、欧州、中国、アジアなど世界約40カ所の取引所に上場している外国株のCFDを提供しています。中国株CFDの取引手数料は、1注文当たり40.0HKDとなっています。

 

サクソバンク証券のCFD取引は、豊富な注文種類で快適な取引環境を提供すると同時に、利益を積み上げるためのリスク管理もしやすいのが特徴です。取引のときは、逆指値注文やOCO注文を使うことをオススメします。

 

逆指値注文とは、市場価格が指定した価格より下がったら「売りの成行注文」を、逆に指定した価格より上がったら「買いの成行注文」をだす注文方法で、「ストップオーダー」「ストップロスオーダー」と呼ばれることもあります。

 

そして、OCO注文は指値注文と逆指値注文を同時に行い、一方の注文が成立すると、もう一方の注文が自動的にキャンセルされる注文方法です。

 

GMOクリック証券

テンセントの株式CFDは、日本の大手ネット証券であるGMOクリック証券でも取り扱いがあります。「GMOクリックCFD」や「はっちゅう君CFD」など、利用環境や投資目的に応じて高性能な取引ツールがすべて無料で使えるのが魅力です。

 

GMOクリックCFD」では、高機能チャート、充実のテクニカル指標、スピード注文、アラート・通知機能など、さまざまな機能があります。また、登録不要のデモ取引も可能です。

 

そして、「はっちゅう君CFD」は、基本的な注文機能、チャート機能に加え、資金移動機能を搭載したツールです。ツール稼働中は、リアルタイムで約定通知を行うなど、投資家の取引をサポートします。

まとめ

テンセント株は2021年の高値から半値以下の水準になりました。中国当局の規制懸念から上値の重い展開が続きそうですが、過去5年間で見ると安値水準となっています。また、CFDを利用すれば上げ相場、下げ相場どちらでも利益を狙うことができます。

 

自分の資金や手法にあった取引方法を選ぶようにしてください。

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