資産運用と言えば株や投資信託への投資というのが真っ先に思い浮かぶのではないでしょうか。
一昔前の株式や投資信託への投資というのは、証券会社の担当におすすめされた銘柄もしくは自分で選んだ銘柄を購入し、利益確定や損切りも同様に証券会社の担当にアドバイスをもらうか自分で判断して行うものでした。
まだ電話や店頭での注文しかできなかった時代です。
その後ネット証券が普及して、株や投資信託の売買がとても簡単になり、情報もネットですぐに入手できるようになったことで、売買もすべて自分の手で行うことが主流になりました。
そして現在、ネットで申し込みをしていくつかの条件を設定すると、購入する銘柄の選定や売買まで自動で行ってくれるサービスが普及してきています。
いわゆるロボアドバイザー(通称:ロボアド)といわれるサービスです。
ロボアドバイザーにも様々ありますが、ここではCMでも見る機会が多くなったウェルスナビ(WealthNavi)を取り上げます。
ウェルスナビ(WealthNavi)とはいったい何か?
ウェルスナビ(WealthNavi)とは、財務省出身の柴山和久氏が創業したウェルスナビ株式会社が提供するロボアドバイザーです。
そもそもロボアドバイザーとは冒頭で簡単に説明した通り、自分の代わりに投資や資産運用を自動で行ってくれるサービスのことです。
AI(人工知能)が投資や資産運用を行うため、人間特有の心理的要因による損失リスクがゼロになるというのがロボアドバイザーで自動投資を行うメリットです。
現在、ウェルスナビ(WealthNavi)のテレビCMが放送されているので、名前を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
ウェルスナビ(WealthNavi)は徹底的にユーザー目線にこだわったサービスを展開しており、ユーザー数はロボアドバイザー国内No,1です。(2021年1月時点)
ウェルスナビ(WealthNavi)は最低投資金額10万円から始めることができます。
投資や資産運用を始める際には、最初に6つの質問に答えます。
その回答によって、ユーザーのリスク許容度が5段階で評価され、そのリスク許容度に従ってウェルスナビ(WealthNavi)が自動的に投資や資産運用を開始します。
また、ウェルスナビ(WealthNavi)では安心安全な長期運用を行うために、分散投資にこだわっています。
たとえば、30万円を入金したとします。すると、その30万円は、米国株・日欧株・新興国株・米国債権・金・不動産・現金に分散投資されます。
もちろん、ユーザーは手を動かす必要はありません。
ウェルスナビ(WealthNavi)が自動的にポートフォリオを作成してくれるのです。
ウェルスナビ(WealthNavi)は、世界の富裕層や機関投資家が行っている長期的な国際分散投資ができるようにプログラムされています。
そのため、投資や資産運用の世界的な成功者と同じようなポートフォリオを自動で生成するようになっているのです。
これは、投資や資産運用の経験や知識があまりないという投資初心者にとって、とても魅力的です。
資産を預けるだけで成功確率の高い分散投資を自動的に行ってくれるので、投資や資産運用をこれから始めたいという方にピッタリなサービスであると言えるでしょう。
ウェルスナビ(WealthNavi)の口座開設の仕方
ここでは、ウェルスナビ(WealthNavi)で投資や資産運用を行うために必要となる口座の開設方法を説明していきます。
一般的に投資や資産運用を行うときには、そのための専用口座が必要となります。
証券会社で投資を行うためには、その証券会社に口座が必要となるのと同じです。
口座を開設するには、当然ながら本人確認書類が求められます。
本人確認および口座開設には、通常数日~2週間程度かかります。
一方ウェルスナビ(WealthNavi)では、そういった事務的な手続きに入る前に、無料診断を行うことができます。
これは、先ほど述べた6つの質問のことです。
無料診断によってリスク許容度が明らかになり、それに応じたポートフォリオを提示してくれます。
ウェルスナビ(WealthNavi)を使うと、どれくらいの利回りで資産運用できるかをあらかじめ示してくれるのです。
それをもとに、ユーザーが口座を開設するかどうかを判断する、という流れになっています。
今まで、投資や資産運用のための口座を開設する際に、事前にこのような診断をしてくれるサービスはほとんどありませんでした。
こういったところも、ウェルスナビ(WealthNavi)がユーザー目線でロボアドバイザーサービスを提供していると言われる所以です。
その後のフローは、他の証券会社での口座開設と同様です。
有効な本人確認書類の組み合わせとして、
- ①運転免許証と個人番号通知カード
- ②運転免許証と住民票(マイナンバー記載)
- ③パスポートと個人番号通知カード
- ④パスポートと住民票
- ⑤マイナンバーカード
という5つが挙げられます。
これらのうちの1つの組み合わせをアップロードすることで、本人確認を行います。
注意点としては、本人確認書類の郵送ができないことです。必ず写真データを使用してください。
併せて、出金先銀行口座を登録する必要もあります。出金口座には、メイン口座を設定しておくと使い勝手が良いかと思います。
これで口座開設に必要な手続きは完了です。あとはウェルスナビ(WealthNavi)からの連絡を待ちましょう。特別な事情がない限り、2営業日ほどでメールが届きます。
他社サービスと比べても、非常にスピーディーに口座を開設できますね。
また、ウェルスナビ(WealthNavi)が提携している他社サービスを利用している場合には、そちらから申し込むことも可能です。
ラインナップとしては、SBI証券、住信SBIネット銀行、ANA、ソニー銀行、イオン銀行、横浜銀行、JALがあります。
これらは、IDやパスワードが一括で管理できるので非常に便利です。
ウェルスナビ(WealthNavi)の運用実績
投資や資産運用の実績を評価するのに最も重要なことは、利回りとコストでしょう。
ここまでウェルスナビ(WealthNavi)について紹介してきましたが、これを読んでいるみなさんが一番気になっているのは利回りのことだと思います。
ここでは、当サイト編集部の投資初心者である新人の実績をもとに、ウェルスナビ(WealthNavi)で資産運用を行ったときの利回りを紹介します。
ウェルスナビ(WealthNavi)を利用して約1年が経過しましたが、直近の実績としては利回り2.0%となっています。
この実績は、資産運用を行ってきた1年間で比較的低い水準に位置しています。
そもそも長期運用を前提にしているロボアドバイザーですので、短期的な利回りで評価するのも急ぎすぎですが、運用期間内で最高の利回りは約5.0%でした。
この1年で市場に大きな変動があったものの、ウェルスナビでは基本的に2.0%から5.0%のラインをキープし続けています。
投資をしてみたいけど、全く何をやればいいのかわからない。という人は、国債や銀行の定期預金よりも利率は良いので、資産の一部をウェルスナビ(WealthNavi)で試してみても良いと思います。
ウェルスナビ(WealthNavi)のHPにも載っている実績を見ると、サービス開始当初(2016年1月19日)に100万円、その翌月から毎月3万円ずつ積み立てながら2019年5月までウェルスナビ(WealthNavi)で運用した場合、リスク許容度によって実績は違ってきますが下記のようになっています。
■ドル建ての場合の実績
リスク許容度 累積元本額(ドル) 資産評価額(ドル) リターン
1 | 1.94万 | 2.14万 | +10.4% |
2 | 1.94万 | 2.21万 | +14.2% |
3 | 1.94万 | 2.25万 | +16.1% |
4 | 1.94万 | 2.29万 | +18.2% |
5 | 1.94万 | 2.32万 | +19.5% |
■円建ての場合
リスク許容度 累積元本額(円) 資産評価額(円) リターン
1 | 220万 | 235万 | +6.7% |
2 | 220万 | 243万 | +10.4% |
3 | 220万 | 247万 | +12.2% |
4 | 220万 | 251万 | +14.2% |
5 | 220万 | 254万 | +15.5% |
ローリスク・ローリターンが「リスク許容度1」、ハイリスク・ハイリターンが「リスク許容度5」で、リスク許容度によってポートフォリオが違ってきます。
モデルケースでは、ドル建ての場合は元本額に対して最大で+19.5%のリターン、円建てでは元本額に対して最大で+15.5%のリターンになっています。
比較的高いリターンを誇っていますが、これはウェルスナビ(WealthNavi)が富裕層のポートフォリオをもとに長期安定運用を目指していることが要因でしょう。
景気や市場が変動しても一定の利回りを維持するためのプログラムが組み込まれているため、積立投資との相性が抜群に良いのです。
積立投資は月々1万円以上からしか行えませんが、利子が0に近い銀行口座に預けるよりも、高い利回りを誇るウェルスナビ(WealthNavi)に預けた方が賢い選択であるのは言うまでもありません。
また、コストに関してですが、ウェルスナビ(WealthNavi)の手数料は預かり資産に対して年率1%(現金部分を除く)、3,000万円を超える資産を預けていれば年率0.5%です。
取引ごとの手数料は一切かかりません。
取引ごとの手数料がかからないというのは嬉しい限りですね。
ウェルスナビ(WealthNavi)のリスクは?
それでは、ウェルスナビ(WealthNavi)で資産運用することにリスクはあるのでしょうか?
AIが自動で資産運用を行ってくれて、今のところしっかりと実績を残しているウェルスナビ(WealthNavi)ではありますが、多少のリスクはあります。
それは元本保証ではないということです。
言い換えると「損失を出してしまう可能性がある」ということです。
いくら優秀なAIといえども、急激な市場の変動により損失を出してしまう可能性はあります。
しかし、それも一時的なことが多いのも特徴です。
そもそも、ウェルスナビ(WealthNavi)をはじめとするロボアドバイザーは長期運用が前提です。
一時的な市場や為替の急激な変化により損失を出したとしても、長期的にはしっかりと利回りを出せるようにプログラムが組まれており、そのためのAIでもあります。
長期的な目線で見れば、ユーザーのリスク許容度によって数値は違えどプラスの利回りになっている可能性が極めて高いと思います。
ただし、いくら優秀なAIが資産を運用してくれるとはいっても、「損失を出す可能性はある」ということだけは頭に入れておくことが必要です。
ウェルスナビ(WealthNavi)は簡単に解約ができる?
ウェルスナビ(WealthNavi)の解約はとても簡単です。
方法は2つあり、1つ目の方法としては「口座から全額出金」するという方法です。
これにより自動運用を休止することができます。休止中は手数料は発生せず、口座が無効となることもありません。
2つ目の方法としては、ログイン後のお問い合わせフォーム、または電話で口座解約を希望する旨の連絡をする方法です。
そうすると登録住所に「外国証券取引口座解約請求書」というものが送られてきますので、本人確認書類と一緒に返送するだけです。
このように、ウェルスナビ(WealthNavi)の解約に難しいことは何もありません。
ウェルスナビ(WealthNavi)は自動積み立てができるのか?
ウェルスナビ(WealthNavi)では自動積立をすることができます。
自動積立とは毎月決まった日に、一定の金額を自動で積立投資にまわすことです。
ウェルスナビ(WealthNavi)では引き落とし日を毎月6日、12日、20日、26日、末日の5つから選ぶことができ、複数回の積立も可能です。
積立額は1万円(「WealthNavi for ネオモバ」を利用している場合は5千円)から設定できます。
投資初心者がウェルスナビ(WealthNavi)で資産運用をやってみたまとめ
ロボアドバイザーの代表格であるウェルスナビ(WealthNavi)について解説してきました。
現在のところしっかりと利回りを出していて、優秀なロボアドバイザーであると言えます。
購入する商品の選定から売買まで全て自動でやってくれるので、投資初心者にはとてもおすすめです。
資産を配分して、自分で売買をする証券口座とウェルスナビ(WealthNavi)での自動運用という両建てでの資産運用をしてみるのも良いのではないでしょうか。
ロボアドバイザーでの資産運用を考えているのであれば、ウェルスナビ(WealthNavi)は口座開設をしておきたいサービスです。