メキシコペソは、高金利通貨としてFXで非常に人気のある通貨の1つです。
代表的な高金利通貨といえば、日本人の方は豪ドルやニュージーランドを思い浮かべる方が多いと思います。
しかし、豪ドルやニュージーランドは以前のように高い金利がつく通貨ではありません。
2000年代前半から2010年くらいまでは高い金利が付いたので多くの日本人が豪ドルやニュージーランドの外貨預金を行っていました。
当時、豪ドルやニュージーランドの外貨預金をすると1年で約7%から8%の金利がついたこともあります。
しかし、今や豪ドルやニュージーランドの政策金利は0.25%です。ほとんど米ドルと変わらないくらい金利は落ちているのです。
そこで今注目が集まっているのがトルコリラや南アフリカランド・メキシコペソになります。
しかし、豪ドルやニュージーランドに比べるとメキシコペソはマイナー通貨になるので詳しく知らない方も多いでしょう。
そこで今回はメキシコペソのスワップポイントで生活する方法について説明します。メキシコペソの特徴や推移、今後の見通しについてわかりやすく説明をしますのでぜひ参考にしてください。
メキシコペソの投資方法
メキシコペソは高金利通貨であることからスワップ狙いで取引するのが良いでしょう。
また、1メキシコペソ6.3円台なので米ドルやオーストラリアドルに比べ、投資金額が少なくても大きな投資をすることができます。
メキシコペソのおすすめの投資方法は、スワップ狙いで長期投資しつつキャピタルゲインを狙っていく方法が良いでしょう。
現在のメキシコペソは1ドル6.3円台です。新型感染症ショックの時からは回復しましたが、それでもかなり低い水準であることは間違いありません。
もちろん、トルコリラのようにひたすら下がり続けている通貨もありますので、今後絶対に反転するとは言い切れませんが、アメリカの株価の好調ぶりを考えるとさらに上昇する可能性は十分にあります。
例えば、メキシコペソのスワップポイントが高いFXプライムbyGMOで2021年1月4日に保証金10万円分(47.9万メキシコペソ)の買いポジションを新規で購入し、約1年間保有し続けた場合のスワップ益の累計はなんと111,658円です。
レバレッジを掛けなくても、これだけたくさんのスワップポイントがもらえます。
300万円投資すれば年間約330万円のスワップポイントがもらえますので、月にすると275,000円です。
十分に生活できる水準ではないでしょうか?もちろん、300万円を用意するのは難しいので、レバレッジを3倍程度かければ100万円の投資資金で実現できます。
ロスカットには気を付けないといけませんが魅力的な投資手法であるといえるでしょう。
メキシコペソはレバレッジ3倍
メキシコペソは、米ドルやユーロに比べると圧倒的に取引量が少ないためちょっとした出来事で大きな変動が起こります。
そのため、メキシコペソでスワップ狙いの長期投資を行う際はレバレッジを低く設定するようにしましょう。
レバレッジはどんなに高くても3倍程度にするのが良いでしょう。これ以上高いと予期せぬところでロスカットに引っかかってしまう可能性があります。
また証拠金維持率もかなり余裕を持たせておきたいため、大きめの資金を口座に入金しておくようにしましょう。
メキシコペソの特徴
メキシコペソの最大の特徴は、高金利であることです。
では、そもそもメキシコとはどのような国なのでしょうか?
国としての特徴
・メキシコ社会
メキシコ社会は成熟していますが、国民は治安問題と汚職問題に不満を募らせてきました。2018年選挙で左派政権が誕生した背景には既存政党による政治の枠組みに対する国民の不信感がありました。
ロペスオブラドール大統領は、汚職・治安対策・格差是正・エネルギー改革を重点分野とし最低賃金引き上げや公務員給与引き下げなどの主要政策を実施してきました。
しかし、治安の回復は容易ではなく整形の安定性を維持する上でのアキレス腱となっている状態です。
・経済・財政
北米への製造業輸出拠点として発展しています。後ろ盾となってきたNAFTA(北米自由貿易協定)の後継制度であるUSMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)が2020年7月に発行。
他方、ロペスオブラドール大統領の就任以降、着工済みの新空港の建設中止を皮切りに「はてな」のつく政策決定が少なくなく、民間投資が萎縮し2019年の経済成長はマイナスになってしまいました。
エネルギー分野では外資の参入を一時凍結し石油公社PEMEXの役割を拡大して、資源の安全保障と自給率の向上を目指しています。感染症の影響の緩和とともに経済を早期に成長軌道に戻せるか注目されています。
メキシコペソのこれまでの推移
今までのところでメキシコの基本的な特徴についてはご理解いただけたでしょうか?
では次にメキシコペソのこれまでの推移について説明をします。メキシコペソは、取引量が少ないため短期間でも比較的値動きが大きい通貨です。
メキシコの過去10年間の為替チャートは以下のようになります。
出典:https://www.rakuten-sec.co.jp/web/market/data/mxn.html
チャートを見るといくつかトレンドが出ているところがあります。それでは、過去10年のメキシコペソのトレンドについて見ていきましょう。
2016年トランプ大統領当選により史上最安値を更新!
メキシコペソは、2014年頃からの原油価格の下落に引っ張られジリジリと下げてきました。メキシコは、産油国であるため原油価格との関係が非常に密接なのです。
参考までに原油価格のチャートを載せておきました。
出典:https://site1.sbisec.co.jp/ETGate/?_ControlID=WPLETmgR001Control&_PageID=WPLETmgR001Mdtl20&_DataStoreID=DSWPLETmgR001Control&_ActionID=DefaultAID&burl=iris_indexDetail&cat1=market&cat2=index&dir=tl1-idxdtl%7Ctl2-CLv1%7Ctl5-jpn&file=index.html&getFlg=on
非常に親和性が高いことがわかりますね。
原油価格の下落に悩まされていたメキシコペソですが、更に追い打ちをかけるように2016年にアメリカ大統領にトランプ大統領が当選したことにより大きく下落をしました。
なぜなら、アメリカはメキシコにとって一番の貿易相手国だからです。メキシコの輸出全体の約8割輸入全体の約45%がアメリカです。
つまり、アメリカとの関係が悪くなるとメキシコ経済は大打撃を受けます。
2016年にトランプ大統領がアメリカ大統領に就任した際、メキシコに対して厳しい措置が取られるのではないかといわれていました。
現にトランプ前大統領は、2016年の選挙期間中
● メキシコとの国境に壁を建てる
● 壁の建設費用はメキシコに支払わせる
と繰り返し発言をしていました。
アメリカの違法移民は年間100万人といわれていますがその大多数がメキシコからです。
そのため、トランプの当選によりメキシコとアメリカの関係は悪化するのではないかと憶測を呼びメキシコペソは暴落しました。
2014年には1メキシコペソ9円付近まで回復!
出典:https://www.hs-sec.co.jp/bond/foreign/chart/mxn.htm
メキシコペソは、2008年8月までは大体11円付近で推移していました。
しかし、皆さんご存知の通り2008年9月にリーマンショックが起こりメキシコペソも急落しました。
わずか3カ月間で11円から6円台までメキシコペソは急落したのです。
その後は6円から7円台のボックス相場が続きましたが、2011年から2012年にかけてメキシコペソは一時5円台まで急落しました。
リーマンショックから回復し、メキシコは年間4〜5%の経済成長率を実現させておりかつ原油価格も順調に上昇していたにもかかわらず急落してしまいました。
このときの急落はメキシコペソにあったというよりも円高の勢いが強すぎたことが要因といわれています。
事実2013年に、安倍総理が強烈な金融緩和を実施すると、メキシコペソ円のトレンドは大きく変わりました。
2014年には直近の最高値である1メキシコペソ9円台まで回復したのです。
2020年新型感染症ショックにより暴落!
出典:https://www.hs-sec.co.jp/bond/foreign/chart/mxn.htm
こちらも、皆さん記憶に新しいと思いますが2020年新型感染症ショックにより3月から4月にかけて世界中の株価が大暴落をしました。
日経平均株価は、2万2千円台から1万6000円台まで下落し、ニューヨークダウは2万7000ドル台から19,000ドル台までわずか1カ月で急落しました。
この間、世界各国は金融緩和を行い各国の政策金利は軒並み下がりました。メキシコペソも全く同じ動きで、2020年4月6日に4.216円の史上最安値を付けました。
また政策金利も2021年1月時点では7.25%ありましたが感染症流行の影響を受けて4.25%まで引き下げています。
4.25%と聞くとまだまだ高い水準ではありますが高金利が特徴の通貨が政策金利を下げてしまうとその影響は大きいことがわかりますね。
新型感染症ショックからの回復
出典:https://www.hs-sec.co.jp/bond/foreign/chart/mxn.htm
新型感染症ショックで暴落したメキシコペソですが、その後は大きく回復をしました。
2022年4月29日現在、6.2円まで回復し、政策金利も6.5%まで回復しています。
2022年3月中旬から米ドルを中心に多くの通貨が円安になっておりメキシコペソもこの流れに乗っています。
メキシコの政策金利見通し
メキシコペソの今後を占う上で非常に重要なメキシコの政策金利について見ていきましょう。
政策金利の推移
過去10年間のメキシコの政策金利は以下のようになります。
出典:https://www.gaitame.com/markets/seisakukinri/mexico.html
2016年ごろから徐々に利上げし、2018年12月から2019年7月までは8.25%という高い政策金利を維持していました。
メキシコが利上げをしていた理由は、インフレ率上昇によるペソ安を抑えるためです。
メキシコのインフレ率が目標より倍近い数値になり、メキシコ政府は利上げによる金融引き締めを行いました。
しかし、2021年の新型感染症ショックの影響によりインフレを抑えるどころではなくなり、メキシコの政策金利は4.25%まで下落しました。
その後は上昇傾向にあり、2022年4月29日時点では6.5%まで回復しています。
政策金利の見通し
メキシコペソの政策金利は、最重要国であるアメリカの政策金利に連動します。
アメリカが金利を上げればメキシコも金利を上げる関係です。
ではアメリカは今後どのような金利運営を行っていくのでしょうか?
アメリカはご存知のとおり想定以上にインフレが進んでいるため政策金利を2022年に大きく上げる見込みです。
メキシコペソも連動してさらに政策金利を上げてくると考えられます。
まとめ
メキシコ経済だけでなく、隣国のアメリカの影響が大きいのでアメリカの主要株価指数などの動向には注意して見ていきましょう。・メキシコペソは今後上がるとも下がるとも
プラス材料とマイナス材料が混在しているため、上がるか下がるかは明確に言及するのが難しい・メキシコペソはスワップポイント狙い&キャピタルゲインを狙った投資方法がおすすめ
相対的にメキシコのスワップポイントは高いので、基本的にはスワップ狙いの投資をして長期為替差益狙った投資が良いでしょう
今回は、メキシコペソについて詳しく説明をしました。メキシコペソはマイナー通貨ではありますが、FXトレーダーの方には比較的なじみのある通貨といえるでしょう。
現在、メキシコペソは以前のような8%を超える高い金利は付きません。
しかし2022年4月時点でのメキシコペソの政策金利は6.5%と他国からみると高い金利を維持しています。
メキシコペソで運用する際は、スワップ狙いでの運用をしつつ、長期でキャピタル狙いの運用をするのが良いでしょう。
ぜひ今回の記事を参考にしていただき、メキシコペソ投資で大きな利益を出していただければ幸いです。