FXの自動売買は、特別な知識を持たない投資初心者でも始められるサービスとして人気を集めています。しかし、自動売買について詳しく知らない方や、本当に儲けられるサービスなのか不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、自動売買のメリットやデメリット、儲けるために押さえておくべきポイントなどを解説します。FXの自動売買を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
FXの自動売買とは?
FXの自動売買は「システムトレード」とも呼ばれ、機械が自動的に為替取引を行います。あらかじめ設定した取引ルールに基づいて機械的に取引が行われるため、自分で取引注文を出す必要がありません。
取引ルールとは、売買のタイミングを決めるためのプログラムのことです。たとえば、為替レートが一定の価格になったら売買を行う方法や、テクニカル指標に基づいて売買タイミングを計る方法などが挙げられます。
FXで自動売買を行うメリットやデメリットを見ていきましょう。
FX自動売買メリット
まずメリットについてご紹介をしていきます
仕事中や就寝中でも取引できる
為替市場では24時間取引を行えますが、手動で売買(裁量トレード)を行う場合、仕事中や就寝中に相場状況を把握するのは困難です。FXにのめり込んで、仕事や私生活に悪影響を及ぼす可能性もあるでしょう。しかし、自動売買であれば相場を見られない時間帯でも取引できるのがメリットです。
感情に左右されない
投資の世界においては、感情的な売買によって大きな失敗をしてしまうケースはよくあります。感情的な売買とは、含み損が膨らんで焦る気持ちなどから、根拠のない売買をしてしまうことです。しかし、自動売買は一定のルールに従って機械的に売買するため、そういった心配はありません。売買に感情が入らないのは、自動売買を利用する大きなメリットと言えるでしょう。
特別な知識が必要ない
裁量トレードを行う場合は、テクニカル分析やファンダメンタルズ分析などを活用してエントリーポイントを探る必要があります。しかし、自動売買ツールによっては売買戦略があらかじめ組み込まれているものもあるため、特別な知識は必要ありません。そのため、自動売買は投資初心者でも始めやすいサービスと言えます。ただし、投資を始めるなら最低限の知識は持っておきましょう。
FX自動売買デメリット
次にFXの自動売買のデメリットについてみていきましょう
相場の急変動に弱い
突発的な材料により、相場が急変動する可能性があります。どんなに優れた自動売買プログラムを組んでいても、極端な値動きに対応するのは困難です。
トレードの知識や経験が得られない
裁量トレードを行う場合は、取引を重ねる度に知識や経験を積み重ねられますが、自動売買ではトレードの知識や経験がほとんど得られないことがデメリットです。
プログラムの設定が難しい
あらかじめプログラムが組み込まれている自動売買ツールであれば、取引を簡単に始められます。しかし、開発型の自動売買ツールの場合、独自のシステムをプログラミングするか、プログラミングされたシステムを「MT4」などの取引ツールに設定する必要があります。そのため、初心者には設定が難しい点もデメリットです。
FXの自動売買は儲かるのか?
FXの自動売買で儲かるかどうかについては、設定したプログラムや相場状況によります。しかし、投資初心者が裁量トレードを行う場合と比較すると、自動売買のほうが儲かる可能性は高いと言えるかもしれません。
投資初心者が裁量トレードを行う場合、自分で決めた取引ルールに沿って売買を行うのは困難です。そもそも、取引ルールを決めずに「なんとなく」で売買してしまうケースもあるでしょう。
自動売買の大きなメリットは、感情に左右されないことです。設定した取引ルールに基づいて機械的に売買できるため、売買プログラムや相場状況によっては、投資初心者でも儲けられます。
FXの自動売買で儲ける方法
FXの自動売買で儲けるには、以下のポイントを押さえておきましょう。
取引量が多い通貨で売買する
一般的に、取引量の多い通貨のほうが価格も安定するため、自動売買に向いています。取引量の少ない通貨は流動性が低いため、ボラティリティ(価格変動)が大きくなりやすいことに注意しましょう。2019年における通貨別取引量のシェアは以下の通りです。
通貨 | シェア |
米ドル | 88.3% |
ユーロ | 32.3% |
日本円 | 16.8% |
英ポンド | 12.8% |
豪ドル | 6.8% |
カナダ・ドル | 5.0% |
スイス・フラン | 5.0% |
人民元 | 4.3% |
香港ドル | 3.5% |
ニュージーランド・ドル | 2.1% |
その他 | 23.1% |
合計 | 200% |
(参照:BIS 世界の為替取引量調査)
スプレッドが狭い取引所を利用する
スプレッドとは、買値と売値の価格差のことです。スプレッド内には、FXを取り扱う金融機関に支払う手数料が含まれています。スプレッドの幅が広いと、その分利益を出しにくくなるため、スプレッドの幅が狭い取引所を選ぶ必要があります。スプレッドの幅は金融機関によって異なるため、口座を開設する前にホームページなどで確認しましょう。
相場状況や取引状況を把握する
自動売買のメリットは、ある程度放置していても取引を行えることですが、完全に放置してはいけません。相場状況は日々変化しており、状況によってはプログラムを調整する必要があるからです。最低限、相場状況や取引状況は把握しておきましょう。
FXの自動売買をおすすめしない人は?
FXの自動売買をおすすめしない人は、以下のような人です。
短期間で大きく稼ぎたい人
FXの自動売買は、すべての売買で必ず勝てるシステムではありません。そのため、設定するプログラムによっては大損する可能性もあります。レバレッジをかけてハイリスクハイリターンを狙うなら、裁量トレードのほうが向いていると言えます。自動売買では、中長期で利益を積み重ねていくことを目指しましょう。
トレードスキルを磨きたい人
自動売買ではトレードスキルが身に付きにくいため、将来的に裁量トレードをメインに行いたい方には向いていません。トレードスキルを磨きたい場合は、少額でも構わないので、自分で勉強しながらトレードしましょう。
自動売買の仕組みを難しいと感じる人
取引状況が芳しくない場合、相場状況に応じてプログラムを変更する必要があるため、少なくとも自動売買の仕組みは理解しておきましょう。自動売買の仕組みを難しいと感じる場合、最適な取引ルールを設定できない可能性もあるため、注意が必要です。
FXの自動売買で稼げない時は何が原因なのか?
FXの自動売買で稼げないおもな理由は、以下のことなどが挙げられます。
相場状況と自動売買のシステムが合っていない
相場には、上昇・下落基調が続く「トレンド相場」や、一定の幅で価格が上下する「レンジ相場」があり、それぞれの相場状況に合うシステムは異なります。相場状況と自動売買のシステムが合っていない場合、損切りを繰り返してしまう可能性があります。
証拠金維持率に余裕がない
証拠金とは、為替取引を行う際の担保のことです。証拠金維持率とは、必要証拠金に対する純資産の割合のことを指します。保有資産の値下がりなどによって証拠金維持率が低下し、一定のラインを割れるとロスカット(損切り)されてしまいます。預け入れる証拠金が少なかったり、レバレッジをかけ過ぎたりすると、為替レートが少し変動しただけでロスカットされてしまうため、証拠金維持率はある程度余裕を持たせておく必要があるでしょう。
裁量トレードを組み入れてしまう
自動売買における大きなメリットは、感情的な売買を行わなくて済むことです。しかし、自動売買だけでは満足できず、裁量トレードを組み入れてしまう場合があるかもしれません。その場合、自動売買のメリットが薄れ、結果的に大損してしまう可能性もあるでしょう。
FXの自動売買で儲ける方法まとめ
FXの自動売買は、投資初心者でも儲かる可能性があります。しかし、相場状況や取引状況によってプログラムを調整する必要があるため、ある程度の知識が必要となるでしょう。
自動売買で儲けるには、相場状況に合ったプログラムを設定し、中長期でコツコツ利益を積み上げていくことが重要です。この記事を参考に、自動売買の概要やメリット・デメリットを把握し、儲けるためのポイントを確認しておきましょう。