カナダ株に馴染みのない人もいるかもしれませんが、米国市場に上場している銘柄も多いので、米国株と同じように取引できます。この記事では、カナダ株の魅力と取引方法について解説します。
カナダ株を買うには米国株を取引できるネット証券で口座を開く
米国株取引が可能なネット証券会社を利用すれば、米国市場に上場しているカナダ株を購入できます。
とくにカナダの大型株は、カナダのトロント市場と米国のニューヨーク市場の両方に上場している銘柄が多くあります。トロント市場で購入するのは少し難しいですが、ニューヨーク市場に上場している銘柄であれば、米国株投資として取引できるので便利です。
それでは、米国株を取引できるおすすめのネット証券を紹介します。
SBI証券
SBI証券の米国株手数料は約定代金の0.45%(税込0.495%)で、業界最低水準となっています(最低手数料0ドル、上限手数料は税込22ドル)。また、米国株の取り扱い銘柄数は約6,000銘柄もあり、米国を代表する大型株だけでなく、中・小型銘柄も数多く取引できます。
米国株取引では、売買の決済通貨を選択できます。購入の場合、日本円での取引(円決済)を希望するときは、証券口座の日本円の購入余力の範囲内で、また、その国の通貨での取引(外貨決済)を希望する場合は、それぞれの通貨の購入余力範囲内で取引することが可能です。
また、特定口座に対応しているので、国内株式や投資信託と損益通算が簡単にできます。そして「源泉徴収あり」を選択した場合、SBI証券が納税手続きを行うので、原則、確定申告の必要はありません。
楽天証券
楽天証券の米国株式手数料は、約定代金の0.495%(税込)。最低手数料は0ドル、上限手数料は22ドル(税込)です。楽天証券の米国株の取扱銘柄数は約4,600銘柄で、世界的に有名な企業や時価総額が大きい企業だけでなく、直近のIPO銘柄やETF(上場投資信託)など、取扱銘柄が豊富です。
また銘柄選びに役立つ様々なレポートが定期的に提供され、各種セミナーも年に数回行われています。そして、「マイクロソフト」や「アマゾン・ドット・コム」など米国の銘柄をカタカナで検索できるので、基本的に英語の心配をする必要はありません。
そして楽天証券でも、顧客のニーズに応じて、手持ちの米ドルを使った外貨決済と、円を使った円決済のどちらかを選ぶことができます。円決済の場合、事前にドルを用意する必要がなく、思い立ったときに注文できるので便利です。
さらに、楽天証券の「超割コース」を選択している場合、取引手数料の1%の楽天スーパーポイントがポイントバックされます。
マネックス証券
マネックス証券では、米国株式を0ドルからの売買手数料で取引できます。米国株の手数料は約定代金の0.495%(税込)で、上限は22ドル(税込)です。
そして、マネックス証券では顧客の要望に応じ、随時、取扱銘柄を追加しています。時間外取引も可能で、逆指値注文やトレールストップ注文も利用可能です。また、米国株専用のスマートフォンアプリや銘柄分析ツール、セミナー・レポートなどの投資情報も充実しています。
とくにスマートフォンアプリの「トレードステーション米国株 スマートフォン」は便利。米TradeStation, Inc.が開発した米国株取引専用のスマートフォンアプリケーションで、レーダースクリーン、チャート分析・発注などの機能をスマートフォン(iPhone、Android端末)で利用できます。
さらに、マネックス証券では、通常の立会時間帯に加え、「プレマーケット」「アフターマーケット」の時間帯にも取引が可能です。
これにより、立会時間帯を含めて最大12時間の取引が可能となり、ニュースや決算発表に伴う株価の急変にも対応できるので、取引機会を逃すことがありません。マネックス証券の米国株の取引時間は、以下の通りです。
プレマーケット 22:00~23:30
通常 23:30~翌6:00
アフターマーケット 翌6:00~翌10:00
プレマーケット 21:00~22:30
通常 22:30~翌5:00
アフターマーケット 翌5:00~翌9:00
カナダの魅力
それでは、カナダの魅力について解説します。
移民の増加で経済成長が期待できる
米国の北部に位置するカナダは、世界第2位の国土面積(約998万km2)を持つ広い国ですが、人口は3,600万人と少なく、世界でも最も人口密度の低い国の一つです。
そして、人口のほぼ3分の1がカナダの3大都市(トロント、モントリオール、バンクーバー)に集中しています。ほかの先進国と同様、カナダでも少子高齢化が進んでおり、自然人口増加率は人口増加率全体の3分の1以下にまで低下しています。しかし、カナダの人口増加を支えているのは、政府の積極的な移民政策による移民です。
カナダの自然人口増加率は将来的にゼロになると予測されていますが、移民は今後の人口増加の重要なドライバーであり、移民がもたらすスキル、経験、資本はカナダの経済成長を支えると期待されているのです。
カナダは資源大国
カナダは広大な国土と少ない人口に加え、大部分が森林です。そして、カナダは世界的な資源大国です。経済面では、輸出の70%、輸入の60%が米国向けであり、常に米国経済と密接に結び付いています。しかし、米国が最大の貿易相手国であるにもかかわらず、両国の経済活動は大きく異なっています。
カナダは、鉱物や農産物の輸出が特に多く、農業や鉱業、石油産業がカナダ経済の主要な部門となっているからです。農産物や鉱物、エネルギーが輸出のほぼ半分を占め、機械、自動車、その他の製品が35%を占めています。
豊富な天然資源に恵まれたカナダは、亜鉛やウラン、アルミニウム、鉄鋼、鉛などの鉱物の輸出で世界をリードしており、これらは主に米国に輸出されています。これらの鉱物は、さまざまな製品の製造に使用され、製造業には欠かせない原材料となっているのです。
カナダの代表的な銘柄
カナダの代表的な5つの銘柄を紹介します。
ショッピファイ
株価 40.40ドル
(2022年7月21日時点)
ショッピファイは、ECサイトの開発・運営を支援するプラットフォームとして、世界175カ国で100万店舗以上を展開するカナダ発の企業です。
これまでECサイトを開発するためには、自社でサーバーを用意してパッケージを導入する必要がありましたが、ショッピファイはサブスクリプション型のサービスモデルにより、簡単にECサイトを立ち上げることができる点が高く評価されています。
そして、多言語、多通貨、海外発送にも簡単に対応できるため、越境ECにも適しています。
ロイヤル・バンク・オブ・カナダ
株価 96.40ドル
(2022年7月21日時点)
ロイヤル・バンク・オブ・カナダはカナダの金融サービス企業で、カナダのモントリオールとトロントに本社があります。その事業はカナディアン・バンキング、ウェルス・マネジメント、コーポレート・サポート、保険、国際バンキング、金融・資本市場の6部門からなります。そして、グローバルにリテールおよびコマーシャルバンキング、保険、ウェルス・マネ ジメント、コーポレートおよびインベストメントバンキングサービスを提供しています。
トロント・ドミニオン銀行
株価 63.87ドル
(202年7月21日時点)
カナダと米国で事業を展開しているカナダ5大銀行のひとつ。売上高の約6割がカナダでのリテール事業です。カナダでは、商業銀行業務、富裕層向けプライベートバンキング、保険事業も展開しており、その他にもクレジットカードやオートローンなどの安定した事業を有しています。
銀行としてのトロント・ドミニオン・バンク・グループの総資産はカナダで1位、北米で6位と巨大なグローバル金融機関であり、「2020年グローバルシステム上重要な銀行(G-SIBs)リスト」にも掲載されています。
ブルックフィールド・アセット・マネジメント
株価 48.04ドル
(2022年7月21日時点)
ブルックフィールド・アセット・マネジメントは、120年以上の歴史を持つオルタナティブ資産の運営者で、優良な事業への長期投資を行っており、現在世界30カ国以上で6,500億ドル以上の資産を運用しています。
そして、ブルックフィールド・アセット・マネジメントは、アセットマネジメント事業、不動産事業、再生可能エネルギー事業、インフラ事業、プライベート・エクイティ事業、住宅開発事業、コーポレート活動の7つの事業セグメントから構成されているのです。アセットマネジメント事業では、投資家に代わって、長期私募ファンドなどにより、永続的および流動的な戦略を管理しています。
カナディアン・パシフィック鉄道
株価 74.05ドル
(2022年7月21日時点)
カナディアン・パシフィック鉄道は、カナダの鉄道会社です。クラスⅠの大陸横断鉄道で、カナダとアメリカに広がる輸送網を利用して貨物の複合一貫輸送サービスを提供。主にカナダのモントリオールとバンクーバーを結ぶ本線上の主要港や都市、アメリカ中西部や北東部の拠点から運行されています。
投資信託を利用してカナダ株に投資する
個別株を選ぶのは難しいという人は、投資信託を購入することをおすすめします。ネット証券を利用すれば100円から購入でき、複数の銘柄に分散投資できるからです。ただし、投資信託は「信託報酬」がかかるので注意が必要です。
信託報酬は、投資信託を運用・管理してもらうための費用として、投資家が投資信託を保有している間ずっと払い続けるものです。ただし、個別に支払うのではなく、「純資産総額に対する割合」という形で、信託財産から毎日差し引かれます。
信託報酬は投資信託の種類によって異なりますが、おおむね年率0.5%~2.0%程度です。一般に、ファンドマネージャーの手腕が問われるアクティブファンドよりも、特定の指数への連動を目指すインデックスファンドの方が信託報酬は低くなる傾向にあります。
それでは、カナダ株に投資できるファンドを紹介します。
マニュライフ・カナダ株式ファンド
基準価額 10,325円
信託報酬 1.947%(年率・税込)
純資産残高 19.8億円
1カ月 -2.49%
3カ月 -4.00%
6カ月 5.29%
1年 12.89%
(6月末時点)
「マニュライフ・カナダ株式マザーファンド」を通じ、主に株式(預託証券(DR)およびカナダの金融商品取引所または店頭市場に上場または登録されるものを含む)に投資し、中長期的にベンチマーク(S&Pトロント総合指数)を上回る投資成果を目指すアクティブファンドです。外貨建資産については、原則として為替ヘッジを行いません。
カナダ高配当株ツインα(毎月分配型)
基準価額 1,824円
信託報酬 1.9955%(年率・税込)
純資産残高 155.49億円
1カ月 -3.6%
3カ月 -5.1%
6カ月 2.8%
1年 6.3%
(6月末時点)
カナダ株を実質的な主要対象とし、高配当利回りに着目した銘柄選定を行うアクティブファンドです。また、カバードコール戦略の組み合わせである「ツインα戦略」を行い、オプションプレミアムの確保を目指します。
カバードコール戦略は、オプション取引を利用して、原資産を保有したまま原資産のコールオプションの売りポジションを取る投資戦略。
コールオプションを売ることで、原資産の一定レベルの上昇をあきらめる代わりに、オプションプレミアムを受け取ることができます。
一般に、原資産が将来あまり変動しないと予想される場合(コールオプションを売った原資産が権利行使価格を超えない水準にとどまる場合)に有効な戦略です。
2022年6月末時点における組入上位銘柄は、以下の通りです。
1. カナダ・ロイヤル銀行 8.3%
2. トロント・ドミニオン銀行 7.2%
3. カナディアン・ナチュラルリソーシズ 4.2%
4. ビーシーイー・インク 4.2%
5. カナディアン・インペリアル・バンク・オブ・コマース 4.0%
まとめ
カナダ株にはあまり馴染みがない人もいるでしょうが、米国に上場している企業も多いので、米国株と同じように気軽に取引できます。ただ、個別銘柄を選ぶのは難しいという人は、投資信託を購入するのもおすすめです。
まずはネット証券に口座を開き、いつでも購入できるようにしておきましょう。