ファナックという社名を聞いたことがあるでしょうか?
消費者向けの製品を作っている企業ではなく、工場の自動化設備に特化したメーカーです。
実はこのファナックは、工作機械用NC(数値制御)装置で世界シェア1位、産業用ロボットでも世界首位という超優良企業なのです。
株式市場には1976年11月に東証2部に上場、1983年9月に東証1部に指定替え。2022年4月4日以降の東証市場再編では、最上位の東証プライムに位置づけられています。
ファナックは値がさ株として投資家に知られる株です。
ここからは、ファナック株式会社の会社情報や株価推移、株の買い方について株式投資初心者向けに詳しく解説していきます。
ファナックの株式を購入するためには証券会社の口座が必要になりますので、始めにファナックの株式を取り扱うおすすめの証券会社をご紹介しましょう。
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275円
535円
1013円
1日定額
550円
550円
550円
550円
2750円
ファナックの会社情報と主な年表
まずはファナックがどのような会社なのか、会社情報と株主基本情報に加え、主な会社沿革をチェックしてみましょう。
ファナックの会社情報と株主基本情報
会社名 | ファナック株式会社 |
本社住所 | 山梨県南都留郡忍野村忍草3580 |
設立 | 1972年 |
資本金 | 690億円 |
連結従業員数 | 8256人(2021年3月期) |
決算期 | 3月31日 |
上場取引所 | 東証プライム |
証券コード | 6954 |
主な事業 | ロボット、ロボマシン、FA(工場の自動化システム)の研究・開発 |
発行可能株式総数 | 400,000,000株 |
発行済株式総数 | 201,922,097株 |
株主数 | 52,693名 |
単元株式数 | 100株 |
ファナックの主な年表
1956(昭和31)年 | 日本で民間初のNCとサーボの開発に成功 |
1972(昭和47)年 | 富士通株式会社よりNC部門が分離し設立、資本金20億円 |
1974(昭和49)年 | ロボットを開発、自社に導入 |
1976(昭和51)年 | シーメンス社との共同出資により、米国に GENERAL NUMERIC CORPORATION を開設。これを皮切りに、世界各地に拠点を設ける。東京証券取引所市場第二部に上場 |
1983(昭和58)年 | 東京証券取引所第一部に上場 |
1984(昭和59)年 | 東京都日野市より山梨県南都留郡忍野村へ本店を移転 |
2009(平成21)年 | ゼネラルエレクトリック社との合弁を解消。 |
2012(平成24)年 | ファナック健康保険組合を設立 |
2015(平成27)年 | ロボット累計40万台出荷 |
2016(平成28)年 | 栃木県の壬生工場が完成 |
日本の大企業としては珍しく村に本社を構えているファナック。本社所在地は山梨県南都留郡忍野村です。
元々は古河グループに属し、富士通の子会社でしたが、現在は関係性は薄くなっています。
ファナックの社名は「Fuji Automatic NUmerical Control」(=FANUC)に由来しています。
産業用ロボットやNC装置で世界シェアのトップを誇るファナックは、海外拠点も多く世界各地に270以上のサービス拠点を展開しています。
日本製品ならではの技術力と安全性の高さから、世界的に信頼も厚く、高い評価を受け続けている企業です。
ファナックの過去1年間の株価推移
続いて、ファナックの直近の株価推移を見ていきましょう。
2021年3月~2022年5月の月ごとの「始値」「終値」「安値」「高値」をローソク足のチャートにまとめました。
値がさ株として知られるファナックの株価は、直近1年で「18,000~28,000円台」の間で推移していました。値がさ株なだけに、株価の動きも大きく目立ちます。
全体を通して黒の陰線が目立っており、売りの傾向が強い1年であったことも読み取れます。
2022年の決算短信に「ファナックの商品は景気変動の影響を大きく受け易い生産財である」との記載がある通り、ファナックは世界の経済情勢に業績を左右されやすいのが欠点といえるでしょう。
そのためファナックの株式投資は短期保有には向かず、長期保有を前提とした投資をおすすめします。
ファナックの株の株主優待と配当について
ファナックは株主に対してどのような還元を行っているのでしょうか。ここでは、ファナックの株主優待と配当金について解説していきます。
ファナックの株主優待は?
ファナック株式会社は株主優待を実施していません。(2022年3月期現在)
ファナックの配当金推移
ファナックの過去5年間の配当金推移は以下の通りです。
決算期 | 中間 | 期末 | 年間配当金 | 配当性向 |
2018年3月期 | 265.45円 | 297.75円 | 563.20円 | 60% |
2019年3月期 | 598.19円 | 404.92円 | 1003.11円 | 126.1% |
2020年3月期 | 125.35円 | 174.65円 | 300.00円 | 78.6% |
2021年3月期 | 87.93円 | 206.14円 | 294.07円 | 60% |
2022年3月期 | 246.02円 | 239.68円 | 485.70円 | 60% |
2023年3月期(予) | - | - | - | - |
2023年3月期の期末配当は未定ですが、毎年配当を行っています。
ファナックの配当の特徴は、配当性向(※)が60%になるように調整して配当が行われることです。そのため、毎年安定した額の配当が受け取れるわけではありません。
(※)配当性向=純利益のうち、配当金として支払った割合。
投資額に対する配当金の割合を図る、配当利回りについても確認してみましょう。
2022年3月の終値は、21,645円でした。
2022年の年間配当金は485.70円ですので、以下のような計算になります。
配当利回り=1株あたりの配当金(485.70円)÷ 株価(21,645円)× 100 =2.24%
2022年6月現在の東証プライムの配当利回り平均が2.55%なので、平均並みといえますが、高配当株とまではいかないようです。しかし例年の配当金額を見る限り、数百円単位の配当を継続して行っていることから、株主優待はないものの、長期的に見るとインカムゲインが期待できる銘柄だといえるでしょう。
ファナックの業績と今後の株価予想
ここからは、ファナックの直近の業績や決算短信の情報から、今後の株価を予想してみましょう。
ファナックの業績
(単位:百万円)
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 最終利益
(当期純利益) |
1株あたり純利益 |
2018.03 | 726,596 | 229,604 | 249,525 | 181,957 | 938.66円 |
2019.03 | 635,568 | 163,297 | 183,459 | 154,163 | 795.34円 |
2020.03 | 508,252 | 88,350 | 102,816 | 73,371 | 381.89円 |
2021.03 | 551,287 | 112,514 | 128,744 | 94,012 | 490.11円 |
2022.03 | 733,008 | 183,240 | 213,395 | 155,273 | 809.49円 |
2023.03(予) | 825,500 | 197,300 | 227,400 | 166,200 | 866.44円 |
世界的に大打撃を受けた新型ウイルス感染拡大ですが、ファナックも例外ではありません。世界情勢の影響を受けやすい企業であり、実際に半導体不足や物価高騰による材料費の上昇など、さまざまなダメージを受けています。
しかしその困難の中でもファナックの売上高は、2022年の決算期に過去最高の7,330億円を突破。2023年の決算予想も、前期比12.6%を上回る8,255億円の見通しとなっています。
続いて、株価の妥当性を図る「PER(株価収益率)」と、1株あたりの純資産に対して株価が何倍になっているかを図る「PBR(株価純資産倍率)」についても確認していきましょう。
2022年7月現在の株価で計算すると、PERは「26.04倍」、PBRは「2.74倍」とやや割高のようです。
ファナックの株価はなぜ下落した?
ファナックの株価を遡ってみると、2018年1月の高値が33,450円だった株価がその後下落の一途を辿り、2018年12月には15,760円にまで株価が“大暴落”しました。
「米中貿易摩擦」の影響を受けたことが、一つの原因として挙げられます。
2019年の決算短信では、米中貿易摩擦の影響を受け、中国、台湾、韓国といったアジアの主要取引先の需要が大幅に減少したと発表されています。
これを受けて世界最大手の金融機関である「ゴールドマン・サックス証券」が、ファナックの投資判断を大幅に引き下げたことも影響し、次第にファナックの株価は下落していったものと考えられます。
しかし感染症の流行以降、業績に影響を受けつつもファナックの株価は再び上昇傾向に。2022年6月時点のゴールドマン・サックス証券の投資判断では、ダウンサイクルの先を見越して「買い」に格上げされたとの報道がありました。
ファナックの今後の株価はどうなる?
ファナックは海外の売上高比率が約85%と、高い水準を誇る企業です。今後も世界情勢の影響を受けながら業績・株価ともにアップダウンを繰り返すでしょう。新型ウイルス感染拡大による影響も、落ち着きを見せてはいるものの、感染再拡大の可能性は否めません。
一方で、“工場の自動化”の動きは今後、中長期的に伸びていく見込みであると2022年の決算短信にて言及しています。ファナックの技術は、今後もあらゆる企業の作業負担軽減に貢献してくれるでしょう。
また、ロボット事業の売上も顕著な増加傾向にあります。IT関連や自動車産業向けのEV需要などが世界各地で高まっていることが背景にあるようです。
2022年の決算期における自己資本率が86.1%と高水準であることからも、財務が安定しており、今後の活躍にも期待ができそうな銘柄だといえるでしょう。
ファナックの株を買うのに必要な購入費用は?
それでは、ファナックの株はどのくらい資金があれば購入することができるのでしょうか?
投資家にはファナックの株は値がさ株として知られています。
2022年7月15日時点の株価は、
・21,080円
単元株数は100株となりますので、最低購入金額は2,108,000円ということになります。
ファナックの株の買い方と売り方
1、証券会社の株式取引ツール(管理画面)にログイン。 2、銘柄検索で「ファナック」「6954」などで検索。 3、「現物買」もしくは「信用新規買」を選択。※信用買いの場合は、「制度信用」もしくは「一般信用」を選びます。 4、買いたい株数を入力。 5、買いたい金額を指定したい場合は「指値」にチェックを入れて金額を入力。その時に出ている売り注文の一番低い金額で買う場合は「成行」にチェックを入れる。 6、期間を「当日中」もしくは指定したい場合は指定して入力。(証券会社によって指定できる期間は多少変わります) 7、「注文」ボタンを押せば注文完了。 8、「成行注文」の場合はすぐに約定。「指値注文」の場合は株価が指定した金額になれば約定となります。
1、証券会社の株式取引ツール(管理画面)にログイン。 2、銘柄検索で「ファナック」「6954」などで検索。 3、現物で買っている場合は「現物売」、信用で買っている場合は「信用返済売」を選択。 4、売りたい株数を入力。 5、売りたい金額を指定したい場合は「指値」にチェックを入れて金額を入力。その時に出ている買い注文の一番高い金額で売る場合は「成行」にチェックを入れる。 6、期間を「当日中」もしくは指定したい場合は指定して入力。(証券会社によって指定できる期間は多少変わります) 7、「注文」ボタンを押せば注文完了。 8、「成行注文」の場合はすぐに約定。「指値注文」の場合は株価が指定した金額になれば約定となります。
証券会社によって多少表記される文言が違う場合はありますが、上記の手順で株の売買をすることができます。
【超初心者向け】ファナックの株の買い方はこれまとめ
ファナックはBtoB企業ですので、一般の方にはあまり馴染みのない企業かもしれません。
ですが、特定分野では世界シェアNo.1を誇る、日本のみならず世界を代表する企業です。
投資家目線では“値がさ株”という点で、気軽にファナック株を購入することができない理由の一つとなるでしょう。
しかし、現在配当性向は非常に高く、業績も堅調なので資金に余裕があるのであれば保有しておきたい銘柄の一つです。