小野薬品工業株式会社は、日本の中堅製薬メーカーです。特徴としては、医家向けの医薬品を専業としている点が挙げられます。
以前は一般用医薬品も展開していましたが、現在は撤退しています。
2018年にノーベル生理学・医学賞を受賞した京都大学医学部の本庶佑氏の研究チームと開発し、本庶佑氏のノーベル賞受賞で一躍有名になった抗がん剤「オプジーボ」は小野薬品から発売されています。
1717年(享保2年)、初代小野市兵衛(伏見屋市兵衛)が大阪の道修町に薬種商を創業したことから小野薬品の歴史が始まりました。
1947年(昭和22年)に小野薬品工業株式会社を設立。
株式市場には、1962年(昭和37年)に大阪証券取引所市場第二部に株式を上場。
翌1963年(昭和38年)に、東京証券取引所市場第二部に株式を上場。
1969年(昭和44年)には、東京・大阪各証券取引所市場第一部に指定替え。
そして、現在は東京証券取引所市場第一部に上場していて、証券コードは「4528」です。
ここからは、小野薬品工業株式会社の株について詳しく解説していきます。
小野薬品の株価が下落するのはどんな時?
ここでは、小野薬品の株価が下がるのはどんな時なのか?考えていきましょう。株価が下がる要因として一番大きいものは、上場企業なのでもちろん業績に直結することです。
特に現在の小野薬品の株価に大きな影響を及ぼしそうなものをピックアップすると、以下の3つが挙げられます。
・新薬の開発に関わるニュース
⇒新薬開発にはいくつかのフェーズ(段階)があります。
そのフェーズごとに当局の承認を得たりするのですが、承認が得られなかったり治験で効果が認められないと、新薬開発が上手く進んでいないということで株価が大きく下落することがあります。
・薬価改定
⇒小野薬品においては、主力商品のオプジーボが高額薬剤の代表格としてマスコミでも取り上げられました。
実際に薬価は合計4回引き下げが行われ、薬価も発売当初から比べると約半分になっています。薬価改定が発表されると、当然株価は下がっています。
・京都大学本庶佑氏との特許問題
⇒共同でオプジーボに関する特許を取得した、ノーベル賞受賞者の本庶佑氏とは特許の対価を巡っていざこざが起きています。
本庶佑氏は5倍~10倍程度の対価引き上げを求めていて、現在はまだ訴訟問題には発展していませんが、結果次第で業績に大きく影響する可能性もあります。
小野薬品の株価は今後どうなる?
ここでは、小野薬品の株価が今度どうなっていくのか考えてみましょう。まずは、小野薬品のここ数年の業績から見てみましょう。
(単位:百万円)
決算期 | 売上高 | 営業益 | 経常益 | 最終益 |
2016.03 | 160,284 | 30,507 | 33,272 | 24,979 |
2017.03 | 244,797 | 72,284 | 74,540 | 55,793 |
2018.03 | 261,836 | 60,684 | 63,922 | 50,284 |
2019.03 | 288,634 | 62,010 | 65,141 | 51,539 |
予 2020.03 | 290,000 | 71,000 | 73,000 | 55,000 |
2017年3月期に一気に売上が伸びているのは、オプジーボの売上によるものです。現在、小野薬品の売上の3割程度をオプジーボが占めていて、業績にかなり貢献しています。
そして、現在オプジーボの適用範囲を広げるために複数ラインの開発を行っていて、それらが承認されるとさらに業績に貢献することが期待されます。
PER(株価収益率)は約19倍で、他業種と比べると多少高めですが同業と比べると高いわけではありません。
PBR(株価純資産倍率)は約1.8倍と、可もなく不可もなくといった水準です。
株価の動きを見ると、2018年前半には株価は3,000円を超えていましたが、2018年にオプジーボの薬価改定が4月と11月にあった事により2,000円台前半まで落ち込みました。
そして、2019年には株価は2,000円を割る水準まで下がりました。
2020年に入り、株価は2,500円まで戻す場面もありましたが、感染症流行の影響もあり2,000円あたりまで下がったりもしています。
総合して考えると、株価は2,000円台前半までは割高な水準にあるわけではありません。オプジーボの薬価改定で、上がりすぎた株価が平均的な水準まで戻ってきたという捉え方も出来ます。
普通に考えると、オプジーボの収益拡大期待もあり、長期的には買いと言いたいところですが、本庶佑氏との特許料の問題がネックです。
一旦この問題が落ち着くまでは、2,000円~2,500円のボックス相場で、2,000円あたりもしくは2,000円を割る水準なら利益を出しやすいのではないでしょうか。
小野薬品の株主優待と配当について
小野薬品工業株式会社は、現在株主優待を行っていません。
配当は行っていて、2019年3月期は1株あたり年間45円(中間配当22.5円・期末配当22.5円)の配当でした。2020年3月期は1株あたり45円の年間配当(中間配当22.5円・期末配当22.5円)を予想しています。
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売買ごと | 99円 | 275円 | 275円 | 535円 | 1013円 |
1日定額 | 550円 | 550円 | 550円 | 550円 | 2750円 |
※手数料は税込価格です
小野薬品の株価はどうなるの?まとめ
ここまで、小野薬品の株について解説してきました。小野薬品は、現在ガン治療薬のオプジーボが主力商品で、今後も収益拡大に期待できる製品です。
ただ、本庶佑氏と特許料で揉めている最中なので、本格的な投資をするのはその問題が今後どうなるかを見極めてからでも遅くはないでしょう。
配当はしっかりと行っていて、利益もしっかりと出している企業なので、今後の動きに要注目です。