株式取引をする際に、買う時も売る時も注文方法は一つではありません。
大きく分けると「成行(なりゆき)注文」と「指値(さしね)注文」に分かれていて、他に条件を付けたりすると投資家にとってさらに便利な注文ができるようになります。
ここでは、株初心者のために「成行注文」と「指値注文」について説明していきます。
成り行きと指値とはどういう意味?
まずは、成行注文・指値注文とはそれぞれどのようなものなのか説明します。
金額を指定せず、その時点ですぐに「買える」もしくは「売れる」金額で注文を出すこと。
買い注文の場合はその時点での売り注文の一番安い金額で、売り注文の場合はその時点での買い注文の一番高い金額で約定します。
金額を指定して注文を出すこと。
買い注文・売り注文共に株価が指定した金額になると約定します。
例えば、買い注文の場合は、現在の株価が500円だとして、470円で買いたいと思って注文を出しておけば株価が470円まで下がると約定します。
反対に売り注文の場合は、現在の株価が500円だとして、550円で売りたいと思って注文を出しておけば株価が550円まで上がると約定します。
また、覚えておいて欲しい注文方法としてもう一つ「逆指値注文」というものがありますので、説明しておきます。
「逆指値注文」とは、リスク管理のために使う注文方法で、金額を指定して反対売買の注文を出すことです。(買っている場合は売り注文、売っている場合は買い注文)
例えば、株を買っている場合に「ある価格以下になったら売る」という注文をあらかじめ入れておくことで、相場の暴落時など株価が急落した時に設定した金額以下になれば自動的に売り注文が成立するので、損失が大きくならずに済みます。
大きな損失を出すのを防ぐために有効な注文方法なのです。
成り行きと指値はどういう風に使い分けるの?
成行注文は言い換えれば、「約定までの時間を優先する注文方法」です。
一方、指値注文は「約定する株価を優先する注文方法」だと言い換えることができます。
ここでは、成行注文と指値注文をどのように使い分ければいいのか?
想像しやすいように、発注者がどういう意図でそれぞれの注文を使うのか説明します。
成行注文
成行注文で買う場合は、その時点の売り注文の一番安い金額(反対に考えると買い注文の他の誰よりも高い金額)で買うわけですから、どうしてもすぐにその株が欲しい時に有効な手段です。
売りの成行注文も同様です。その時点の買い注文の一番高い金額(反対に考えると売り注文の他の誰よりも安い金額)で売るわけですから、どうしてもすぐにその株を手放したい時に有効な手段です。
成行注文をする使う場面としては、主に以下のシチュエーションが考えられます。
・ポジティブ材料が出て株価が上がると判断したため、株価が多少高くても他の誰よりも早く購入したい
・ネガティブ材料が出て株価が下がると判断したため、株価が多少安くても早く手放したい
・相場全体の暴落時に追証回避のためや含み損を抱えるのを嫌って、株価が安くても早く手放したい
・値段を指定すると買える(売れるか)かどうか分からないので、確実に買っておきたい(売っておきたい)
指値注文
指値注文は自分が決めた金額で売買をする取引なので、以下の場合に利用すると有効です
・買い注文は「現在の株価より安く買いたい場合」
・売り注文は「現在の株価より高く売りたい場合」
また、それぞれ「寄付」(前場の始まる時)・「引け」(後場の取引時間終了時)にのみ注文を有効にするなど、成行注文も指値注文も執行条件を決めて注文することができます。
指値の場合は、その金額での注文をその日だけではなく、その後しばらく有効にすることも可能です。(日数は証券会社によって変わります)
これらの機能を活用することによって、取引の幅を広げることができます。
株の初心者は成り行きと指値どっちを使うべき?
それでは、株取引の初心者は成行注文と指値注文どっちを使うべきなのでしょうか。
結論からいうと、状況に合わせて両方使うべきということになります。
自分がその銘柄のチャートなどを見て、「今はまだ株価が高すぎる、ここまで下がったら買う」と考えている場合には指値注文を使うの良いでしょう。
持っている株を売る場合に、「ここまで上がったら売ろう」と考えている場合も同様に指値注文を使うべきです。
相場全体が暴落して、持っている株の株価が急激に下がって含み損が膨らみそうな場合や、ストップ安になりそうな場合に「早く売りたい!」と考えるのであれば成行注文が有効です。
このように、状況によって売買の対応を変えるべきですので、成行注文・指値注文両方を使って株取引をしていきましょう。
株の初心者の為の成り行きと指値の株の買い方と使い分けまとめ
株の注文方法は、基本は値段を指定せずに売買スピードを優先する「成行注文」と値段を指定する「指値注文」の二種類です。
状況によって、成行注文と指値注文を使い分けましょう。
そして、リスク管理に有効なのが「逆指値注文」です。
相場が不安定な時期などにはとても有効的な注文方法です。
相場の状況や自分の株取引の戦略に沿ってそれぞれの注文方法を使い分けて、あなたの株式投資を成功に導いていきましょう!