先物取引の仕組みについて初心者用の解説
「先物取引」という言葉を聞いたことがあると思います。
なんとなく大豆やトウモロコシを売ったり買ったりするのかなと思っている方もいるのではないでしょうか。
ここでは、先物取引の仕組みについて初心者でも分かりやすく解説します。
先物取引とは、「現在の価格で将来に商品を売買する取引」のことです。
例えば、現在ガソリン1ℓの値段が150円だとします。
あなたは将来ガソリンの金額が上がると見越して、このガソリンをAさんから1年後に1000ℓ150円で買うという約束をします。
価格は1000ℓ×150円なので、15万円です。
先物の契約では証拠金というお金を預ける必要があります。
買値の全額は必要ありませんが、Aさんから10ℓにつき100円の証拠金を預けてくれと言われ、合計1万円の証拠金を支払いました。
そして、半年後にガソリンの値段が200円まで上がりました。
約束の期日まではまだ半年ありますが、予想していた値段まで上がったのでAさんを訪ねました。
Aさんはあと半年待ってもいいし、今ガソリンを1ℓ200円で欲しいと言っている人もいるからすぐに決済しても良いよと言ってくれました。
あなたは予想していた価格まで上がったのですぐに売ることにします。
1ℓ150円で買ったものが200円で売れたことになるので、1000ℓ×50円の5万円が利益として儲かりました。
Aさんからは5万円を受け取り、証拠金として預けていた1万円も返って来ました。
これが先物取引の仕組みです。あなたは一切ガソリンを手元に置くことなく、5万円の利益を得ることができました。この先物価格と決済価格との差額のみを受け渡しするやり取りを「差金決済」と呼びます。
もし上記と反対にガソリンの値段が下がると予想した場合は、将来の値下がり前の値段で売却する約束をしておけば約束した値段より下がったときに買い戻すことにより利益を出すことができます。
先物取引には2種類あります。商品先物取引と金融先物取引です。
商品先物はトウモロコシや大豆、金などの実物が存在するものです。
金融先物は金利や指数などの実態のないものです。有名なところでは日経平均株価の株価指数を先物取引する日経225先物などが挙げられます。
初心者にもわかりやすい先物取引の買い方
ここでは、初心者にも分かりやすく先物取引の買い方を説明します。
■口座開設
先物取引をするためには、通常の証券口座とは別に「先物・オプション取引口座」の開設が必要です。
信用取引をする場合に信用取引口座の開設が必要なのと同じことです。
どのように開設するかは各証券会社によって違ってきますが、簡単に申込むことができるはずです。
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■証拠金の入金
証拠金の計算方法も証券会社によって若干変わってきます。
各証券会社の先物取引口座で証拠金を確認の上、証拠金を入金してください。
保有する株式も証拠金に組み込むことができます。
■先物銘柄を売買
証拠金を入金したら実際に売買したい銘柄を買建てしてください。
以上で先物商品の購入は完了です。
あとは価格が買値より上がった時に決済すれば利益確定となります。
初心者にもわかりやすい先物取引で利益を出す方法
ここでは、初心者にも分かりやすく先物取引で利益を出す方法を説明します。
これは「先物取引の仕組みについて初心者用の解説」でも具体的な例を挙げていますが、ここでは金融先物の中でも有名な「日経225mini」を例に挙げて説明します。
日経225miniは日経平均株価指数を売買する商品です。
ある日の日経平均株価が20,000円ぴったりだったとしましょう。
Aさんは2か月後に20,000円で日経225miniを1枚買う約束をしました。
2か月後に日経平均株価が22,000円になっていたら1枚で2,000円の利益を出すことに成功です。
ちなみに、日経225miniは1枚で日経平均株価指数の100倍です。要はレバレッジが100倍ということです。
そのため、日経平均が2,000円上がった場合は20万円の利益が出たということになります。
反対に、2か月後に日経平均が下がると予想した場合は、売る約束をします。
2か月後に日経平均が19,000円になった場合、20,000円で売る約束しているので1枚で1,000円の利益を出すことができます。
実際には10万円の利益ということになります。
このように、先物取引では買いでも売りでも利益を出すことができるのです。
先物取引と株の違いについて
ここまで先物取引について紹介してきましたが、先物取引と株取引の違いとはどのような所なのでしょうか。
株式の現物取引では取引金額全額もしくは株式が必要です。取引が成立すると株式の所有権が移ります。
しかし、先物取引は期日に「買う」または「売る」という約束で取引が成り立つため、実際にモノの受け渡しは発生しません。
そのため、約束した通りにちゃんと取引が行われるように証拠金が必要とされており、証拠金があれば取引金額全額を用意する必要はありません。
この証拠金を用意すれば取引金額全額を用意しなくても取引ができるという点は、株の信用取引と似ているように感じます。
しかし、株の信用取引は担保を差し入れて、現金や株式を借りて取引をしているので、手元に現金や株式が来なくても市場では通常通り株式と現金の受け渡しは発生しているのです。
そして、株の信用取引では現金や株式を借りているので金利がかかりますが、先物取引では借りるものがないために金利はかかりません。
また、株の信用取引は最大のレバレッジが約3倍ですが、日経225先物は1枚で1000倍のレバレッジ、日経225miniでは100倍のレバレッジがかかるように、先物取引の方がレバレッジが大きく株取引に比べるとハイリスク・ハイリターンと言えるでしょう。
先物取引と株取引では以上のような違いがあります。
初心者におすすめの先物取引口座はこれ
ここでは、初心者におすすめの先物取引口座を紹介します。
主要ネット証券すべてで先物取引をすることができますので、ここでは日経225先物と日経225miniを取引きした場合の各社の手数料を比較します。
■マネックス証券
手数料:日経225先物 356.4円(税込)/1枚 日経225mini 54円