ネット証券のランキングを参考にしながら、おすすめの投資信託を8本紹介します。投資信託の購入時の参考にしてください(ランキングや数値は2022年5月末時点)。
1.eMAXIS Slim(米国株式)S&P500
1カ月 -1.0%
3カ月 5.6%
6カ月 1.3%
1年 16.9%
(5月末時点)
「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」は、米国を代表する株価指数であるS&P500種株価指数(配当込み・円換算ベース)に連動する投資成果を目指すインデックスファンド。同ファンドの純資産総額は1兆2,208.56億円(5月末時点)で、インデックスファンドの中で最大となっています。
S&P500種株価指数は「S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス・エル・エル・シー」が算出する時価総額ベースの指数です。工業株400銘柄、運輸株20銘柄、公共株40銘柄、金融株40銘柄で構成され、約40業種の銘柄が含まれています。
ニューヨーク市場の時価総額の約75%をカバーし、市場全体の動きを示す指標として、機関投資家などに広く利用されています。
同ファンドの人気の理由は、米国を代表する株価指数であるS&P500種株価指数に投資するというわかりやすさと、保有コストである信託報酬が0.0968%と低いことです。
信託報酬とは、投資信託の運用・管理にかかる費用です。どの販売会社から購入したかにかかわらず、目論見書に記載された年換算額が、毎日日割りで基準価額を算出する際の費用として、信託財産から差し引かれます。
営業日ごとに公表される基準価額には、すでに信託報酬が差し引かれているので、投資家が別途支払う必要はありません。
「eMAXIS Slim(米国株式)S&P500」は、つみたてNISAを利用して積立投資する人が多く、長期で保有される傾向にあります。長期で保有すればするほど、保有コストである信託報酬の差は大きくなるので、なるべく低いファンドを購入した方がリターンは向上するからです。同ファンドは各ネット証券でもランキング上位を占めており、おすすめのファンドです。
2.SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
1カ月 -0.96%
3カ月 5.55%
6カ月 1.25%
1年 16.69%
(5月末時点)
「eMAXIS Slim(米国株式)S&P500」と同じように、米国を代表する株価指数であるS&P500種株価指数に連動する投資成果を目指すインデックスファンドです。「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」は、6月8日に純資産総額が6,004億円となり、2019年9月の設定から657営業日で6,000億円に到達しました。
これは、米国株式に投資するインデックスファンドの中で最速です。「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」は、バンガード社のETFを組み込んだ4本のファンドで構成される「SBI・Vシリーズ」の旗艦ファンド。投資対象であるETFの信託報酬を含めた実質的な信託報酬は年率約0.093%(税込)となっています。この信託報酬は、米国株式に投資するインデックスファンドの中では、「SBI・ V ・全米株式インデックス・ファンド」(愛称:SBI V・米国株式)と並び、最も低い水準となっているのです。
低コストでの運用を考えている人におすすめのファンドです。
3.eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
1カ月 0.0%
3カ月 5.0%
6カ月 1.1%
1年 9.6%
(5月末時点)
「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」もネット証券で人気があり、おすすめのファンドです。同ファンドは、「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス」に連動する投資成果(配当込み、円ベース)を目指すインデックスファンド。この1本のファンドで、世界中の株式に分散投資できます。
「eMAXIS Slim(米国株式)S&P500」よりも幅広い国・地域に分散投資できるので、よりリスクを抑えた運用が可能なのです。「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year2021」の投票でも第1位となっており、個人投資家にも人気があります。
2022年5月末時点における国・地域別上位は、以下の通りです。
1.アメリカ 58.1%
2.日本 5.2%
3.イギリス 3.5%
4.カナダ 3.1%
5.フランス 2.7%
純資産総額は5,000億円を超えており、これからどれだけ増加するかに注目しています。
4.アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型
1カ月 -2.6%
3カ月 -1.6%
6カ月 -12.4%
1年 4.5%
(5月末時点)
ネット証券ではインデックスファンドが人気ですが、アクティブファンドの「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」も人気があります。
アクティブファンドとは、運用会社やファンドマネージャーが独自の予測や投資判断により、ベンチマーク(日経平均株価やS&P500種株価指数など)を上回るリターンを目指すファンドです。
銘柄の入れ替えや情報収集にコストがかかるため、保有コストである信託報酬はインデックスファンドより高く設定されています。
「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」は、米国の成長株に投資し、5月末時点における組入上位銘柄は、以下の通りです。
1.マイクロソフト 9.0%
2.アルファベット 7.8%
3.VISA 4.9%
4.ユナイテッドヘルス・グループ 4.7%
5.クアルコム 4.4%
同ファンドの純資産総額は1兆7,405億円で、国内公募の追加型株式投資信託(ETF除く)の中で最大となっています。ただ、ロシアのウクライナ侵攻や米長期金利上昇によって米国の成長株は売りが優勢になっているので注意が必要です。
2022年になって同ファンドの基準価額も下がってきているので、一度に購入するのではなく、毎月一定金額を積立投資することをおすすめします。
5.日経225ノーロードオープン
1カ月 1.62%
3カ月 3.61%
6カ月 -1.23%
1年 -4.72%
(5月末時点)
国内株を対象にした投資信託としては、「楽天日本株4.3倍ブル」「SBI 日本株4.3ブル」などのブル型ファンドが、ネット証券では人気です。しかし、ブル型ファンドはハイリスク・ハイリターンの金融商品なので、大きな損失がでる恐れもあります。保有コストである信託報酬も高く、短期的なリバウンド狙いならいいですが、長期投資には適していません。
投資初心者や長期投資には、「日経225ノーロードオープン」のようなインデックスファンドが適しています。同ファンドは、日経平均株価(日経225)に連動する投資成果を目指して運用を行うインデックスファンドで、純資産総額は2,000億円を超えています。
積立投資などで中長期の投資に適したファンドといえます。
6.ニッセイ外国株式インデックスファンド
1カ月 -0.3%
3カ月 5.5%
6カ月 1.4%
1年 12.7%
(5月末時点)
「ニッセイ外国株式インデックスファンド」は、日本を除く主要先進国の株式に投資するアクティブファンドです。国・地域別組入比率は、以下の通りです。
1.アメリカ 72.5%
2.イギリス 4.7%
3.カナダ 4.0%
4.フランス 3.4%
5.スイス 3.1%
アメリカの比率が7割を超え、組入上位銘柄もアップルやマイクロソフト、アマゾン・ドット・コムなど米国の成長株が多くなっています。それでも、S&P500種株価指数など米国株を対象にした投資信託よりも幅広い銘柄に分散投資できるので、よりリスクを抑えた運用が可能です。信託報酬も0.1023%(年率・税込)と低いので、長期の運用に適したファンドといえるでしょう。
7.eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
1カ月 -0.3%
3カ月 5.6%
6カ月 1.5%
1年 12.9%
(5月末時点)
eMAXIS Slim 先進国株式インデックスもネット証券で人気があり、SBI証券で9位、楽天証券で6位にランクインしています。同ファンドは「MSCIコクサイ・インデックス(配当込み、円換算ベース)」に連動する投資成果を目指すインデックスファンドです。
MSCIコクサイ・インデックスは、日本を除く先進国の動向を表す代表的な株価指数。日本を除く先進国22カ国に上場する大型株と中型株で構成され、時価総額で市場の約85%を占めています。
浮動株ベースの時価総額加重平均で算出され、四半期に一度、2月、5月、8月、11月末に採用銘柄数の見直しが行われます。5月末時点における組入上位国・地域は以下の通りです。
1.アメリカ 69.5%
2.イギリス 4.2%
3.カナダ 3.7%
4.フランス 3.2%
5.スイス 2.9%
アメリカの比率が約7割を占めているものの、先進国の株式に幅広く分散投資できるので、米国株のみに投資するよりもよりリスクを抑えた運用が可能です。信託報酬が0.1023%(年率・税込)と低く、「ニッセイ外国株式インデックスファンド」と同じように、長期での運用に適したファンドといえるでしょう。
8.楽天・全世界株式インデックス・ファンド
1カ月 -0.1%
3カ月 4.1%
6カ月 0.7%
1年 8.2%
(5月末時点)
「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」もおすすめのファンドです。「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF」を通じ、日本・先進国・新興国約8,800銘柄に幅広く分散投資できるからです。
つみたてNISAやiDeCo(イデコ)にも対応しているので、将来のために長期・積立・分散投資するのもおすすめです。
2022年になって米国株は大きく下落していますが、5月末時点における1年間の騰落率は8.2%とプラスリターンになっています。
保有コストである信託報酬が0.202%(年率・税込)と、全世界の株式に投資するファンドとしては低く、リスクを抑えた運用が可能なので、投資初心者のはじめの1本としても適しています。
まとめ
大手ネット証券のランキングをもとに、おすすめの投資信託を紹介しました。投資信託はネット証券を利用すれば100円から購入できるので、複数のファンドに分散投資するのもおすすめです。
ただ、短期的なリターンを狙うのではなく、10~20年といった長期での運用を心掛けるようにしてください。